検診の重要性    
   コンタクトレンズをご使用の方は、定期検診を受ける事が必要です。角膜などに傷害が発生したときに、常に自覚症状があるとは限りません。特にソフトコンタクトレンズ使用時は、角膜などに傷害が発生したときに、自覚症状が出にくい(バンテージ効果、写真6a、b)事が知られています。コンタクトレンズの使用中に、知らない間に角膜傷害が発生していて、気が付いた時にはそこに細菌が感染を起こして(角膜潰瘍)、失明寸前になっていたという事も時々あります。このような失明に直結するような大きなトラブルのうち、定期検診を受けて、傷害が小さなうちに対策を立てて解決しておけば避けられる事も少なくありません。また、長い間に角膜の形状やレンズの変形により処方されたコンタクトレンズが目に合わなくなってしまう事もあります。定期検診はコンタクトレンズ使用者の眼の健康を守る上で非常に重要な事ですので、必ずお受けになってください。通常の定期検診時期は、コンタクト初心者で1週間目、1ヶ月目、その後問題が生じなければ3ヶ月毎となります。
 もっと重要な事は、異常を感じたらすぐコンタクトレンズをはずして、眼科を受診して頂く事です。角膜潰瘍のように失明につながる大きなトラブルを起こしてしまった方のうちの多くは、異常を感じながらもそのまま我慢してコンタクトレンズを使い続けてしまった方々です。
 


   
写真6a
    点状表層角膜症。角膜やや下方に無数の薄い白色の点状病変を認めるが、ご本人は無症状。(頻回交換レンズ、カラーレンズ併用例.)
     
   
   
写真6b
    点状表層角膜症。角膜中央部付近にフルオレセイン色素に黄緑色に染まる点状病変を認めるが、ご本人は無症状(36歳女性例.頻回交換レンズ使用中.)