コンタクトレンズと眼疾患  
  前にも述べた様に、涙が少ない方やアレルギーがある方はトラブル(眼障害)が起きやすいため、コンタクトレンズの使用は勧められません。特に従来型(通常型)のソフトコンタクトレンズは最も避けるべきレンズです。ソフトコンタクトレンズは(ハードコンタクトレンズに比べて)基本的に汚れがつきやすい素材で出来ています。涙が少ない方は角膜にキズ(写真3)がつき易く、一方で涙の少ない方はコンタクトレンズが通常の方よりも汚れやすい傾向があります。角膜にキズがあるところに本来人体にとっては異物であるコンタクトレンズを装用すれば、当然細菌感染(写真4)の危険性は高くなりますが、そのレンズが汚れていれば危険性は更に高まります。また、アレルギーがある方は一般的に眼からの分泌物が多いためレンズが汚れやすく、レンズの汚れがさらにアレルギーによる症状を悪化させるという悪循環に陥りやすくなります(写真5a,b)。長期にわたって使用する従来型(通常型)のソフトコンタクトレンズはこのような方々には最も危険性の高いコンタクトレンズであると言われています。
     
写真3   写真4
角膜中央部やや下方のうすい白色部分は乾燥により傷害された角膜上皮(smile mark pattern)。   細菌性角膜潰瘍。右眼瞳孔の左側、やや黄緑色に染色された白色病変が潰瘍部分。周囲の黄緑色に染色された部分もすべて角膜のキズ。(20代男性例.カラーレンズ17hrs/day使用.ケア不良.)
   
写真5a   写真5b
巨大乳頭性結膜炎。右眼上眼瞼の裏側(眼瞼結膜)。(20歳男性例.1日使い捨てレンズ使用.しょっちゅう装用したまま就寝していた.)   左眼上眼瞼の裏側(18歳女性例.頻回交換レンズ使用例.ケア不良.)